あのとき私は、「いい人」を演じていた
「なんで私ばっかり、こんなに頑張ってるんだろう?」
ある夜、泣きながら家に帰った。
友達の相談に何時間も乗った日だった。
仕事でミスをカバーしたのも、誰かの代わりだった。
「人のために動いているはずなのに、なんで私はこんなに空っぽなんだろう」
そんな疑問が、心に刺さった。
私の“やさしさ”って、本物だったんだろうか?
それともただ、「嫌われたくない」から頑張っていただけだったのか?
「人に尽くすこと」が、美徳だと思っていた
・お願いされたら断らない
・疲れていても笑顔で付き合う
・自分の時間より、他人の事情を優先する
そんなふうに、“いい人”であろうとすることが、
いつの間にか習慣になっていた。
でも、どれだけ尽くしても、「ありがとう」が返ってこないときの虚しさ。
自分を後回しにしたぶんだけ、心のどこかに不満がたまっていく感覚。
それでも、口では「平気だよ」と笑ってしまう。
だって、相手を優先することが“やさしさ”だと信じていたから。
尽くしすぎる人ほど、なぜか苦しくなる理由
「人に尽くす」ことは、素晴らしいことです。
だけど、自分を犠牲にしてまで続けてしまうと、心のバランスは崩れていきます。
尽くしすぎる人ほど、自分の本音を言えなくなっていきます。
・相手に嫌われたくない
・頼られる自分でいたい
・「優しいね」って言われたい
その裏には、“他人からの承認”を求めすぎる心があるのかもしれません。
そして気づけば、自分の幸せよりも「相手が満足しているか」がすべてになってしまう。
それって、本当に幸せなんでしょうか?
自分を大切にしないやさしさは、持続しない
“自分を捨てる優しさ”は、長くは続きません。
どこかで疲れ果ててしまうからです。
やがて感情はあふれ、
「私ばっかり…」という被害者意識になってしまうことさえあります。
これは、相手のためにも、自分のためにもならない状態です。
いくら尽くしても、
「それ、頼んでないよ」と言われてしまう虚しさ。
それなら、自分を大切にするほうが、よっぽど健全なのではないでしょうか。
自分を大切にすると、人間関係はうまくいく
不思議なことに、「自分を大切にする」ことを意識し始めると、他人との関係もうまくいくようになります。
たとえば、こんなふうに。
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疲れた日は無理に予定を入れない
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嫌なことには、はっきり「NO」と言う
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無理に盛り上げ役になろうとしない
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自分が楽しいと思える時間を最優先にする
こうすることで、心に余白が生まれます。
そしてその余白が、自然な笑顔や、健やかな優しさにつながっていくのです。
人は、自分を満たしていないと、誰かを本当の意味で満たすことはできません。
「自分優先」は、わがままではない
「自分を優先するなんて、冷たいと思われないかな」
「もっと相手に合わせなきゃいけないよね」
そう思う人もいるかもしれません。
でも、「自分を大切にすること」と「自己中心的であること」は、まったく別物です。
・自分の感情に責任を持つ
・自分のコンディションを知る
・自分の境界線を守る
これらは、わがままではなく“自己信頼”の表れ。
ちゃんと自分を守れる人ほど、他人にも健やかな関わり方ができるのです。
本当に“やさしい人”とは、こういう人
やさしさとは、無理して尽くすことではありません。
・自分にやさしくできる人
・無理に我慢せずにいられる人
・相手を思いやりながらも、自分も傷つけない人
こういう人は、疲れすぎず、押しつけすぎず、
周囲に“安心感”を与えることができます。
それは、相手もまた「自分を大切にしていいんだ」と思える空気をつくるから。
だから、自分を大切にする人が増えると、結果的に、みんながハッピーになる。
【まとめ】「自分を大切にする」が、最強の人間関係術
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人に尽くすだけのやさしさは、やがて苦しくなる
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自分を後回しにしないことで、心に余白が生まれる
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本当のやさしさは、無理のない状態から生まれる
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「自分優先」は自己中心ではなく、自己信頼
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自分を大切にする人は、まわりにも安心感を与える
最後に:まずは「今日の自分」に聞いてみて
あなたは今日、自分の気持ちをちゃんと聞いてあげましたか?
疲れてるのに我慢していない?
嫌なのに「平気」と言ってない?
誰かの期待に応えすぎていない?
一番長く付き合うのは、他人ではなく“自分自身”です。
だからこそ、まずは自分の心地よさを最優先にしていい。
そうすることで、あなたの周りにもやさしさと余裕が広がっていきます。
人に尽くすより、自分を大切にすると、結局みんな幸せになる。
この言葉を、どうか忘れないでください。