🧠 「できない」のは、甘えじゃない
心が不調になると、目に見える形で「できないこと」が増えていきます。
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掃除も、洗濯も、放置される
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シャワーを浴びることすら、体が動かない
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スマホの通知を見るだけで、動悸がする
そうした“できなさ”は、決してサボっているわけでも、怠けているわけでもありません。
「今は生きることに精一杯」な状態。
それが、うつという病のリアルです。
🧹① 家事:日常の「当たり前」が遠くなる
食器を洗う、床に落ちたものを拾う、洗濯物を干す──
元気なときは無意識でこなしていたこれらの行動が、
うつ状態になると一つひとつが“重たいミッション”になります。
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「やらなきゃ」とは思っている
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でも体も心も、まったく動かない
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時間だけが過ぎていく
部屋が散らかると、さらに自己嫌悪が募る。
そしてそのループが、ますます動けなくさせる。
日常を保つための“最低限の行動”が、最初に崩れていく。
🚿② お風呂:体を清潔に保つことが、苦行になる
お風呂に入ることもまた、意外とエネルギーを使う行動です。
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服を脱いで
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お湯を出して
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髪や体を洗って
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服を着替えて
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ドライヤーまでして…
この一連のプロセスが、うつ状態では信じられないほど億劫になります。
「汚れてるのはわかってる」
「入った方が気持ちいいのも知ってる」
でも、できない。心も体も動かない。
それでも、毎日を生き延びている。それだけで、もう十分なのです。
📱③ 連絡:つながることが、しんどい
そして、多くの人が見落としがちなのが**「人との連絡」**です。
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LINEを返す
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電話に出る
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メールに返信する
こうしたコミュニケーションも、非常に大きなエネルギーを必要とします。
言葉を選び、気遣いをし、相手の反応を想像する。
それは、思っている以上に神経を使う行為です。
うつ状態では、それが本当に難しくなる。
未読スルーや既読スルーは、相手を無視しているわけではなく、
“反応できる余裕がない”だけなのです。
🪫 「生きてるだけで精一杯」のサインを読み取ってほしい
通知に気づいている。返信しなきゃと思っている。
それでも、スマホを開けない。
そんなとき、人は**「生きる」以外の行動をほぼ止めている状態**です。
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既読無視=冷たい
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返信が遅い=距離を置かれてる
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電話に出ない=関係を断ちたいのかも
そう解釈されてしまうこともありますが、まったく別の事情があることを知ってほしい。
“何もしていない”のではなく、“何もできない”状態なのです。
🌱 「待っててくれる人」の存在が、救いになる
連絡を返せなくなったとき、去っていく人もいるかもしれません。
でも、中には何も言わず、ただそっと待っていてくれる人もいます。
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催促せずに、心配しすぎずに
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「落ち着いたらでいいよ」と伝えてくれる人
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何かのタイミングで再びつながれる人
そんな関係は、回復してからも続いていく、かけがえのない心の居場所になります。
🧘♀️ まとめ:連絡できないあなたへ、そして待ってくれているあなたへ
うつ状態では、
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家事ができない
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お風呂に入れない
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人と関われない
それはどれも、心のエネルギーを守るために起きている反応です。
「できない自分」を責めないでください。
そしてもし、誰かからの連絡が途絶えても、すぐに悪く思わないでください。
誰かを気にかけることと、
誰かを急かさないことは、
とてもよく似たやさしさです。
今、できないことがあるとしても、
いつかまた、できる日が来るかもしれません。
その日まで、生きているだけで、充分です。