猫みくじ「許すって、忘れることじゃない。和解は、少しずつでいい」

忘れるだけでは 心は楽にならない 許すように 猫みくじ

🤝「許す」って、なんだろう──傷ついた自分と和解するまでの話

「許したいけど、許せない」
頭ではわかっていても、心が追いつかないときがある。

誰かに傷つけられた記憶がある。
言葉かもしれない。態度かもしれない。
あるいは、ただ無視されたことかもしれない。

もういい加減、水に流してしまいたい。
そんなふうに思える自分がいる一方で、
「でもあのとき、本当に苦しかったんだよ」
と、泣いている自分もいる。

許しとは、感情と理性の綱引き
そしてそのどちらか一方を選ぶことなんて、
実は誰にもできないのかもしれません。


🧨 「もう忘れた」は、本当の意味での許しじゃない

「もう気にしてない」
「もう大丈夫」
そう口にしてみても、ふとした瞬間に痛みはよみがえる。

同じような言葉を誰かが使ったとき。
似たような空気を感じたとき。
そのたびに、心の奥から冷たい感情が顔を出す。

本当の許しとは、忘れることではない。
むしろ、「忘れられないまま、どう向き合うか」を問われること。

つまり、「許し」はゴールではなく、
繰り返し続いていくプロセスなのです。


🧒 傷ついた自分を置き去りにできない理由

許せない気持ちの根底には、
「あのときの自分を無視したくない」という強い思いがあります。

・ひどいことを言われて、何も言い返せなかった自分
・裏切られたのに、気づかないふりをした自分
・泣きたかったのに、笑ってごまかした自分

それらはすべて、
今の自分を支えている「過去の一部」です。

だからこそ、簡単に「許す」という言葉で終わらせてしまうと、
まるであのときの自分が報われない気がする。

傷ついたのに、それすらなかったことにするようで、
**「自分を裏切ることになるんじゃないか」**という不安が湧いてくる。


⚖️ 「許す」ことと「忘れる」ことは、まったく違う

よく、何かを許すときに「もう全部忘れよう」と言います。
でも、それは少し違う。

忘れてしまうことは、感情の処理ではなく、
感情の“棚上げ”にすぎないからです。

それでは、本当の意味で心は軽くならない。
むしろ、時間が経てば経つほど、
「まだ残ってたんだ…」という気づきの方が重くのしかかってくる。

許しとは、覚えているまま、痛みをなだめること。
記憶の中に、怒りと悲しみが共存していてもいい。
その中で、「それでも前に進もう」と思える瞬間が、
ようやく“許す”という行為に近づいていく。


🛋️ 感情を“選ぶ”ことは、決して裏切りじゃない

「許せない」と思う自分も、
「そろそろ手放したい」と思う自分も、
どちらも間違っていません。

大切なのは、どちらの気持ちも正直に受け止めてあげること。

感情は二者択一ではない。
白か黒かで決めつけると、どちらかを否定することになってしまう。

だから、もし心の中で矛盾していると感じても、
それはむしろ**「ちゃんと向き合っている証拠」**なのです。


📌 「誰かを許す」は、結局「自分を許す」ことに繋がっている

人を許せない気持ちは、時に自分への苛立ちにもなります。

・どうしてあんな目に遭ったのに、何もできなかったんだろう
・どうして信じてしまったんだろう
・どうしてもっと早く気づけなかったんだろう

こうした後悔や自己否定が、
「許せない」という感情をより複雑にしていきます。

でも、誰かを許すというのは、
本当は「過去の自分を認める」ことなのかもしれません。

「あのときの私は、必死だった」
「精一杯、自分を守っていた」
そう認めることができたとき、
初めて少しだけ、前に進めるようになる。


🔄 時間が癒すのではなく、時間が“選ばせてくれる”

よく「時間が解決する」と言います。
でも、正確に言えば、時間が“選ぶ力”をくれるのです。

怒りを抱えたまま過ごす日々も、
許すことを決めて軽くなる日々も、
選ぶのは常に、自分の感情です。

そして時間が経てば経つほど、
その選択をする力も、少しずつ増えてくる。

だから無理に許そうとしなくていい。
今は怒っていてもいい。悲しんでいてもいい。

大事なのは、「許すことができる未来」を信じておくこと。


🌱 許しとは、誰のためでもない「自分のための行為」

誰かを許したとしても、その人が変わるとは限りません。
謝ってくれるわけでもないし、後悔しているとも限らない。

それでも許す意味があるとしたら、
それは「自分のため」以外にない。

もうこれ以上、自分を怒らせたままにしない。
心のスペースを、恨みで埋め尽くさない。

許すというのは、「もうこれ以上、自分を痛めつけない」と決めることなのです。


まとめ:どちらの感情も、あなたの味方である

  • 許せないのは、あのときの自分を大切にしたいから

  • 許したいのは、前に進みたい気持ちがあるから

  • 記憶は消えなくても、感情はなだめていける

  • 「許す」ことと「忘れる」ことは、まったく別物

  • 許す相手は、過去の誰かではなく、未来の自分


許したくないのは、優しいあなたの証拠です。
許したいのも、強くなりたいあなたの証拠です。

その両方があるから、あなたは前に進もうとしている。
どちらかを選ばなくてもいい。
どちらもあなたの一部として、抱きしめてください。

そして、いつかその感情が、
自分自身を軽くする道へと変わる日が来るはずです。

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