猫みくじ「付き合ってないけど、誰にも取られたくない」
夜、スマホの画面を開いて、何も用がないのにその人の名前を検索する。
インスタのストーリー、見てないかな。
誰といたんだろう。
何を思って、あの写真をあげたんだろう。
付き合っているわけじゃない。
でも、他の誰かに取られたら、たぶんすごく嫌だ。
悲しいし、悔しいし、きっと眠れなくなる。
この感情って、なんなんだろう。
「好き」って言えたら楽になるのかな。
でも言ったら、たぶん、今の関係は壊れてしまう。
だから言えない。
でも、離れられない。
💭恋愛じゃない。でも、特別な人
関係に名前がついていないって、こんなにも不安なんだと思った。
恋人ではない。
でも、友達とも違う。
連絡が来ると嬉しくて、
既読がつかないと落ち着かなくて、
その人の一言で、一日が台無しになったり、救われたりする。
周りには説明できないこの関係。
「今、いい感じの人がいて…」とも言えないし、
「彼氏/彼女です」と紹介するのも違う。
だから、自分の中だけで抱える。
“特別だけど曖昧な関係”という、静かな戦場。
🧩「壊したくない」からこそ、言えない本音
本当は、好きなんだと思う。
気づいてる。でも、認めたら戻れなくなる気がして、
だから言葉にはできない。
恋愛って、好きと伝えて、気持ちが重なったときに始まるもの。
でも、この関係は「始める」という選択肢がない。
怖いのは、伝えた瞬間に、今までみたいに連絡が来なくなること。
気まずくなること。
「そういう目で見てたんだ」と、引かれること。
だったらこのままでもいい、と思ってしまう。
たとえ苦しくても、そばにいられるなら、それでいいって思ってしまう自分がいる。
🪞「誰にも取られたくない」の正体
「付き合ってないのに、誰にも取られたくないって思うのって、おかしいのかな?」
ある女性が、友達にそう呟いた。
その瞬間、友達はふと黙り込み、優しく言った。
「それって、もう十分“好き”ってことだよ」
そう、“誰にも取られたくない”という感情は、言葉を選んだ“好き”の形なのだ。
「好き」って言葉が持つ重さを知っているからこそ、
無意識に避けて、別の言葉で感情を表現しているだけ。
でも、その遠回りの中に、
壊したくないほど大切にしている気持ちが、確かに息づいている。
🎈恋愛にはならなかったけど、愛だったと思う瞬間
ある関係は、恋人未満のまま、終わる。
何も始まらなかったし、何も終わらなかった。
でも、確かに愛おしかった時間だったと思える。
誰にも言えなかったけど、
夜中にふと名前を思い出して、そっと微笑んでしまうような、
そんな静かな記憶になる。
その人が誰かと結ばれても、
心の奥に「その人だけは、ちょっと特別だったな」って残る。
それは、恋愛とは別の形をした“愛”だったのかもしれない。
🔄どうして人は「曖昧な関係」に留まってしまうのか
曖昧な関係には、優しさと残酷さが混ざっている。
はっきりしないからこそ、都合よく存在できてしまう。
「付き合っていないからこそ、自由でいられる」
そんな逃げ道が、関係を続けさせる。
でも同時に、はっきりしていないからこそ、心はすり減る。
いつまでも本音を隠し続け、
いつまでも「言わなかった」ことを後悔する可能性もある。
それでも、伝えられない。
なぜなら、このままなら、少なくとも“失わずに済む”から。
📖名前がない感情にも、価値がある
私たちはつい、「付き合っているか、いないか」で物事を判断しがちです。
でも、本当に大切なのは、その関係に名前があるかどうかじゃない。
どれだけ相手を想っていたか。
どれだけ、優しくあろうとしたか。
どれだけ、相手の笑顔を大切にしていたか。
その積み重ねに、名前なんて必要ないのかもしれません。
たとえ“恋人”と呼べなくても、
その人を想う気持ちは、誰かに誇れるものだったはずです。
💡「好き」の形は、ひとつじゃない
世の中には、言葉にならない「好き」がある。
伝えられなかった「好き」もある。
形にならなかった「好き」も、たくさんある。
でもそれらはすべて、
“なかったこと”にはならない。
言えなかった、選べなかった、始められなかった。
その全部に、ちゃんと意味がある。
だから、誰にも取られたくないと思うその気持ちを、
「おかしい」と否定しないでほしい。
それは、まぎれもない愛情の証だから。
📝最後に
好きって、ただの感情じゃない。
ときに覚悟であり、リスクであり、静かな戦いでもある。
「この関係を壊したくない」
その想いが、言葉を飲み込ませる。
でも、それでも、心は叫んでる。
「本当は好きだよ」って。
だからどうか、自分の感情を否定しないでください。
たとえ言葉にできなかったとしても、
その人を大切に思ったあなたの心は、誰よりも美しい。
そして、もしいつか、想いを伝える日が来たら。
その時は、きっとあなたの中にある「好き」が、
いちばん強く、いちばん優しい言葉として、届くはずです。